2020年5月 6日
ジャスミン
こんにちは。
愛知県名古屋市のフレグランス(香水)スクール、ジャパンスタイルフレグランスの大野智恵美です。
ゴールデンウィークあたりのお楽しみといえば、夜道を歩いていると、ふと香ってくるジャスミンの香り。
姿が見えなくても、ちょっと暑くなり出した空気に乗って、濃密な香りがやってきます。
どこだろう、と、辺りを見回すと、夜目にも白く群れ咲く〈ハゴロモジャスミン〉に出会います。
インドでは、ジャスミンを〈地上の月光〉と、呼ぶそうです。
夜に咲く、この白い花を、月の光が地面に落ちている様子に例えているとか。
なんだか、その香りと合わせて想像すると、ロマンチックなシーンが広がりませんか?
そう、ジャスミンのお花は、この季節の夜に花開くのです。
ジャスミンは、香りの世界では、歴史的に使われてきたフローラル香料の代表です。
香料用のジャスミンは、〈コモンジャスミン〉という種類です。
合成香料の技術が発達した現代では、なかなか天然のジャスミンを使った製品には、お目にかかれませんが、その香りを言葉で表現すると、
蜂蜜のような透明感を持つ、パワフルなフローラルノート
となるでしょう。
ジャスミンの香りを魅力的に使った香水はいくつかありますが、私にとっての代表的な香水は、ジャンパトゥの〈ジョイ〉です。
その名前は、生きている喜びを感じる。
香りは、軽めのフルーティフローラルが好まれる最近のフレグランス商品に比べると、圧倒的にパワフルで濃厚。
なかなか、普段使いに、とはいきませんが、私はこの香りに力をもらうこともあります。
人生に喜びを。
夜道の散歩で、白い花の香りと姿に出会う、これも、また、喜びですね。