CHANEL No.5
こんにちは。
愛知県名古屋市のフレグランス(香水)スクール、ジャパンスタイルフレグランスの大野智恵美です。
前回のブログで、貼紙満載のパーテーションをご紹介しましたが、その中で、一番ご注文いただけたのが、こちらでした。
小さな画像を、よくご覧くださって、ありがとうございます。
CHANEL No.5
って書いてあるのに、ボトルの様子が違うよー、って。
そうなんです。
こちらは、No.5が発売された1921年のボトルです。
今から100年くらい前のことですね。
シャネルという女性、ファッションにおいて、生き方において、大きな挑戦を続けた人物です。
その一つが、このボトル。
1920年といえば、ファッションは、1910年代までのハイウエストロングドレスから、一気に変わり、脚のラインを見せるローウェストのひらひら&きらきらなフラッパースタイル(ギャッツビーをイメージしてね)。
第一次世界大戦や恐慌続きで、変化と解放への欲求がファッションにも表れた時代でしょう。
シャネルのデザインしたファッションも、ジャージ素材を使った動きやすいものだったり、女性を解放的にさせるものがありました。
香水、といえば、それまでは、ラリックに代表されるようなアールヌーボー調のボトルに入っていたり、ラベルがつけられていたものでした。
当時はお花の香りのデザインなのですから、植物イメージに由来するアールヌーボー調は、ぴったりだったのです。
ところが、一転。
このNo.5のボトルです。
余分なものは一切ありません。
言ってしまえば、四角なただの瓶。
そこに、まるでメモのように、ブランド名と商品名が小さく貼られています。
今は、この様子、不思議でもなんでもないでしょうが、この時代には画期的なことだったでしょう。
シャネルの名言に
・・・シンプルなものこそエレガント・・・
という言葉があります。
このボトルは、その表れの一つでしょう。
余分な装飾は、いらない。
でも、ボトルの角はとって。
この後、栓とボトル本体のサイズバランスが変えられたり、ラベルの位置やサイズは変えられましたが、基本の型は、現在でも変わらないのは、皆さま、よくご承知のこと。
新しいものを作り出す大胆さ、それが続いてゆく強さ。
私にとって、シャネルというのは、そういうことの象徴です。
中身の香りのデザインについては、また、今度。
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